親波の高値から引かれた切り下げラインに対して、上抜けトライが数回失敗すると、天井圏でチャートパターンが形成される場面があります。
アノマリー的に「3点目は跳ね返される、4点目は抜ける」と云われますが、今回のユーロ・ポンドの4時間足チャートは、天井圏で跳ね返された3点目がダブルトップとなり、そこからショートエントリーのチャンスが生まれています。
多彩な引き出しを持っているチャート研究家のあきチャン先生ですが、切り下げラインや切り上げラインなどの斜め線は、たとえば最近の覚えておきたい必勝パターンの数本の動画でも「ライン上の~」とタイトルが付けられているように、その研究の根幹をなすもの。しっかりと自分にインストールしましょう。
ちなみに、同じラインを大切にするトレーダーでも、最重要視するのが水平ラインか、斜め線なのかでタイプが分かれるようです。有名な迷晴れさんや賢人さんは水平ライン(レジスタンスライン、サポートライン)派ですよね。
あきチャン先生はもちろん水平ラインも重要視していますが、最重要視しているのはチャネルラインなどの斜め線ですので、勉強を始められてまだあまり馴染みの無い方はこのことを頭に入れておくと良いかもしれません。
今回のユーロ・ポンドは、天井圏切り下げライン3点目のダブルトップの他のトレード根拠として、ハーモニックパターンとウォルフ波動についても解説されています。
切り下げライン3点目のダブルトップからのトレードの解説
今回のトレードはあきチャン先生が「会心のトレード」と話していますが、何が会心だったのかといえば「よくぞここまで引きつけれたな」とのコメント通り、ショートを打ち込んだタイミングが絶妙だったことに尽きます。
エントリーの詳細
エントリーは赤①から。ピンクの○で囲ったあたりで徐々に下落するだろう確信が固まって行ったようですが、ここでのショートエントリーは躊躇。その理由を「移動平均線の形など」としています。
移動平均線とは20EMAと20SMAのことですが、このあたりは細かく語られていません。ですが、おそらくは上向きであることと、20EMA(実線)が20SMA(破線)の上にあったことが理由かと推測されます。
そしてピンクの○を抜けて天井圏の切り下げラインに細かく値動きがついたところから、エントリーをしようと決めたそうですが、実際にその思惑通りに展開し、緑③のダブルトップから勢いの良い陰線ローソク足が出たところからのエントリーとなりました。
この待ちの判断と、続くナンピンも合わせて「会心のトレードだった」としています。
ナンピンのポイント
ナンピンは赤②からエントリー。ナンピンのポイントは、ダブルトップのネックラインを下抜けした後の一旦の戻りが、レジスタンスになったネックラインに止められ再度下落して移動平均線を抜け、直近安値をブレイクするポイントの赤②からのショートエントリーです。
ナンピンの追撃タイミングも、ともに絶妙に決まっています。
決済指値について
決済指値はオレンジ③に置いています。狙いは、上昇起点となったダブルボトムの右ボトムの、動き出しで出ている大きな陽線ローソク足の足元(オレンジ破線で示しているところ)です。
決済指値はネガティブにというのがあきチャン先生のいつもの方針で、安値付近の安全かなと思われる何らかの節値となるのが通常ですね。
ハーモニックパターン
ユーロ・ポンドの4時間チャートではハーモニックパターンも確認されます。
Xはハーモニックの起点で、フィボナッチ・リトレースメント100%を合わせますが、上は一番高値のローソク足のひげ先に合わせたもの。
おもにBとDの数値が収まりが悪い場合には、Xに当てるフィボナッチ100%を少し下げた位置のローソク足の実体に合わせて調整してみても良いでしょう。
- ①ハーモニックの起点Xとフィボナッチ・リトレースメント100%
- ②ラインを使った場合のハーモニックの決済目標
- ③と④はフィボナッチを使った場合のハーモニックの決済目標
- ③反転D点が88.6%の場合は11.4%まで(足して100の法則)
- ④反転D点が76.4%の場合は23.6%まで(足して100の法則)
- ※78.6%がハーモニックでは正しいかもしれません。その場合には21.4%あたりまで
いまのところ、あきチャン先生流のハーモニックの使い方は型にはまらない広義のものとなっています。実践上、その方が使い易ければ何もガチガチの定義に拘る必要はないと私は考えています。
ウォルフ波動
このユーロ・ポンドの4時間チャートには、さらにはウォルフ波動も確認されます。
天井圏にウェッジを作ったと見ることが出来たかどうか、これも今回の大きなポイントだったのかもしれません。
⑤からもう一度トップを作ったところからの下落を狙うというのがウォルフ波動の獲り方の一つですが、今回は天井圏のダブルトップと重なりました。
ウォルフの①と④を通した14ラインのウォルフターゲットラインまで下落が到達しています。
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