以下のチャートで波動を捉える時に、
あきチャン先生は動画『波動の判断基準は第2波』(FX土曜勉強会《93》)で、まず戻りの第2波に注目せよとしています。
この動画で解説されている波動のカウントの仕方は、非常に流動的というか、臨機応変というべきなのか、とにかく、あきチャン先生流トレードを学ぶなら必見の動画です。
波動のカウントは1時間足以上で行う
いろいろな時間足チャートを見ている人の場合、たとえば15分足や5分足でも波動をカウントするべきだろうか?という疑問があるかもしれません。
この問いに対して、あきチャン先生は「1時間足以上」と答えています。
その理由は短い足では「波だらけ」になるからとしています。
そして長い方の日足や週足のカウントについてですが、4時間足を監視足にしている場合に、そのまま中期的な(日足)カウントが出来る場合においては4時間足で十分としています。
日足できっちりとカウントしなければならないというように神経質になる必要はないのではないか、というニュアンスです。
週足のカウントは基本的にスインガーの領域であり、デイトレーダーは参考程度になるとしています。
これについては以降の項「直近3波・中期1波のカウントについて」で触れています。
波動の基準は第2波
チャートはAUDJPY4時間足チャート、黄色囲みの戻り波動の第2波が基準になりますが、その前にそこへ至る経緯のアップトレンドからダウントレンドへの転換から見てみます。
目線を下に切り替えるポイント
Aは中期的な日足の最終アップトレンドライン、Bは切り上げラインですが、動画で「最終トレンドライン」とされているのはBのラインのようですので、ここではBを最終切り上げラインとします。
中期的なアップトレンドから目線を下に切り替えるのは最終切り上げラインBを割ったところとなります。
つまり最終切り上げラインBをブレイクするまでは上目線のままでいることになりますので注意しましょう。
最終切り上げラインBを下抜けした下落波は、
しっかりと抜けていること(最終切り上げラインBを境に値幅が1対1で下抜けしている)、120MAを20MAが上から下へデッドクロスしていることなどからトレンド転換の第1波となります。
よってそれまでの中期アップトレンドの③④⑤は第3波、第4波、第5波となります。
第1波を獲る場合の考え方
最終切り上げラインBを割ったところで目線を下に切り替えて、第1波の後半部分を獲る場合は、
アップトレンドの第3波と第5波の高値に切り下げラインⅰを引き、それを第5波の安値にコピペしたⅱ、そして第3波のラス押しへコピペしたⅲの2本ラインを引いて(チャネル)対応します。
第1波は、ⅱのラインまでの下落でしたが、基本的には第5波の中を動いて行きラインⅲへ下落して行くとする予測は正しく、結果はその手前の節目で止まったということになります。
戻り波動が基準になる
上記の「第1波を獲る場合の考え方」では第5波の中を動く(下落)としましたが、この第5波はダウントレンドに対しての戻り波動です。
ダウントレンドの場合に基準になるのは戻り波動となり、戻りをしっかりと見ることが重要だとしています。
上のチャートのダウントレンドで最も重要な戻り波動は、
トレンド転換の第1波の戻りの第2波であるとしています。
次に重要なのが、第5波としています。
第5波はトレンド転換前の波です。
一番重要とするトレンド転換後の第2波を基準として波動をカウントすることになります。
波動のカウントの仕方
中期的(日足レベル)なアップトレンドから転換したダウントレンドの波動のカウントは以下のようになります。
また、4時間足チャートでの直近的な波動は、左の高値からカウントすることになります。
よって、中期的な第1波は直近では第3波となります。
第2波の値幅に比べて小さすぎる戻りはカウントしない
第2波の値幅と同等の戻り波動をカウントするのが基本となります。よって次にカウントすべき戻り波動は、
④の戻り波動(第4波)となります。
③の第3波中にはいくつかの戻り波動がありますが、第2波の値幅と比べるとどれも半分にも満たない波なのでカウントしません。
第2波から出る波は第3波か第5波のどちらかになる
第2波に続く波は第3波ですが、第3波だと確定するのは安値を抜けてからになります。
第2波の安値の赤水平ラインを割るまでは、第3波になるか第5波になるのか、どちらかの可能性を持っていることになります。
もし、赤水平ラインを割ること無く上昇へ転じて行った場合には、暫定第3波は第5波として確定し、以下のようにカウントバックすることになります。
戻りの第2波は、第4波となります。
第3波は、次の戻りの第1波になる
4時間足チャートの直近の波を最高値からカウントすると、
第2波の安値を下抜けして第3波が確定します。
この第3波は、次の戻りでは第1波とカウントされることになります。
戻りは第2波とし、そこから出た波は第3波か第5波のいずれかになりますが、第2波の安値を抜けたことで第3波と確定します。
赤③の第3波も、次の戻りでは第1波になります。
第2波(戻り)は、第5波が出ると第4波になる
しかし、ピンク囲みの戻りから出た第3波または第5波は、安値を割ることなく上昇へ転じたため第5波となり、戻りは第4波とカウントされることになります。
その他
第2波が大きなトレンドの”へそ”になった
あきチャン先生が余談として話していますが、最も重要な波動とした戻りの第2波から、実によく伸びた第3波が出ていましたが、その第3波の値幅を第2波の起点に当てると、
きっちりと最高値に到達します。つまり4時間足の大きな波動は、戻りの第2波を”へそ”にして、
このように動いていたと見ることが出来ます。
第5波より第2波が大きいと次の戻りは拡散傾向にある
CADJPY4時間足チャートで、同様に日足レベルのアップトレンドからダウントレンドへ転換した波動を見ます。
アップトレンドラインを下抜けし、安値を割ったことで第1波(ダウントレンド)が確定。戻りの第2波から出た下落波は、第3波か第5波ですが、第2波の安値を下抜けしたことで第3波確定です。
第2波は第5波よりも大きな戻りとなっていますが、あきチャン先生は「戻りが大きいと大きな下落が期待出来る。そしてその先の戻りも大きくなる」としています。
④の第4波は、⑤第5波から②第2波の拡散を受けて大きな戻り波動となっていることが分かります。
ネックラインに戻りが入るのでネックラインを引く
④の戻りはネックライン付近まで戻ることが多いとしています。
この場合のネックラインとはAとBのラインのことで、このラインは第5波と第2波それぞれの安値からの水平ラインです。
AかBのどちらかまで戻りが入ることが多いので、ネックラインを引くようにしましょう。これを「トレードのコツとしてメモしておいてください」としています。
”トレンドライン少し抜け”がサインになる
第4波から出る下落波は第3波か第5波ですが(結果的には第5波)、この下落波が切り上げラインを割って行くところからトレードしています。それが以下のチャートのピンクの矢印の部分です。
エントリーに先立ってピンク○で囲んだ”少し抜けた”動きがありましたが、これが下落のサインになるとしています。
第5波はネックラインに引っ掛かる
第4波から出た下落波が、第4波の安値を割れば第3波となり、割らずに上昇へ転換して行けば第5波となります。
第5波の場合には、このケースのように安値のネックラインに引っ掛かるとしています。
青○で囲んだ部分は、底値圏のレンジですが、このネックラインDの付近で止められることが多いので、第5波狙いの場合の決済指値はネックラインDとするのが良いでしょう。
直近3波・中期1波のカウントについて
動画では、直近3波・中期1波のトレード解説があります。この波動のカウントについてまとめます。
4時間足チャート(AUDJPY)の赤囲みの上昇波が直近3波・中期1波の部分となります。
通常通りにアップトレンドの部分をカウントすると、第1波、第2波、第3波となります。これが直近のカウントです。
次に中期とは、日足レベル相当となりますが、
上の画像は日足チャート(AUDJPY)ですが、黄色囲みが4時間足チャートの部分、その中の赤囲みがダウントレンドを切り返した直近3波・中期1波の上昇波となります。
中期的にチャートを見る場合、日足チャートに切り替えてももちろん良いのですが、4時間足チャートでも十分に中期的な流れが分かることもあるとして、トレードの週初めの4時間足チャートの状態を示しています。そのチャートが以下になりますが、
このくらいで見えているなら中期的な波動の捉えは十分ではないか、それでも捉えづらい時には1段ズームアウトしてみると良いとしています。
さて、4時間足チャートで捉えることが出来た中期的な波動のカウントでは、Cのダウントレンドラインを上抜けブレイクした波が第4波、そこから一旦下落した最後のダウントレンドの波動が第5波。そしてアップトレンドへ切り返して行く赤矢印で示した上昇波を第1波とカウントしています。
この切り返しの部分を4時間足レベルでもう少し細かくカウントすると、以下のように直近では第3波までカウントすることになります。
つまり中期的なカウントでダウントレンドの第4波と第5波が、直近のカウントではアップトレンドの第1波と第2波になります。そして、中期的に切り返しの赤矢印の第1波は直近カウントでは第3波となります。
第4波と第5波のカウントについては、こちらの記事も参考になると思いますので御覧ください。
トレードの概要
直近3波・中期1波が揃うとそれだけでトレードを行う根拠となりますが、今トレードにおいての他のチェックポイントは以下となります。
Eはロングエントリーを仕掛けたローソク足、Tは決済指値です。
上目線とした根拠
①⇒③の安値の切り上がりが、Cのダウントレンドラインを上へブレイクしたことにより、上目線確定の判断としています。
また、合わせて移動平均線の状態を確認しています。
ピンク○での120EMA(実線)と120SMA(破線)がゴールデンクロスとなっていたこと、そして黄色○で20EMA(実線)と20SMA(破線)がゴールデンクロスしたことがエントリーを後押しした重要なファクターとしてチェックされています。
値幅について
①から③への切り上げラインを②へ水平コピペしたチャネルラインへの到達をエントリー時に予測しています。
トレード動画には「120MA~600MAへ」と記されていますが、これは緑○の600EMA(実線)と600SMA(破線)のクロスの状態がデッドクロスであったために、600EMAまでしか指せない、としています。
もし、600EMAが600SMAよりも上に位置するゴールデンクロスであったなら、②のチャネルラインではなく、その上に位置したであろう600EMAまで狙っていただろうとしています。
結果、②のチャネルラインと600SMAがクロスしたTでの決済となったとしています。
週足でスイングトレードをするなら
上で説明した直近3波・中期1波を週足チャートで見るとどうなるのでしょうか。
赤○が直近3波・中期1波の部分となります。4時間足チャートでは大きな動きに見えた直近3波・中期1波ですが、長期的な週足チャートで見ると実に小さなローソク足1本であることが分かります。
この最終トレンドラインを目指して下落も考えられるので、赤○のトレードは週足で考えるならば本来は非常にやりずらいところとなります。
よって、デイトレーダーとしては週足は不必要ではありませんが、たまに確認する程度で十分であることが分かります。
動画では、このAUDJPY週足チャートでスイングトレードを行うポイントが簡単に触れられています。
ピンクで囲んだ2箇所がスイングでトレードするべき波となります。
1つはダウントレンドラインをブレイクした上昇波、2つ目は黄色の切り下げラインをブレイクした上昇波で、ともに300pips以上は狙えたことになります。
学習動画 FX土曜勉強会《93》『波動の判断基準は第2波』
あきチャン先生流のエリオット波動については、こちらの記事も参考になりますので御覧ください。