波は衰退してトレンド転換していきます。衰退波となる第4波と第5波はトレンド転換の時に必ず現れる、または既に現れていることになります。
第4波、第5波がチャートに描く形を大別すると次の3つのパターンになります。
アップトレンドの場合は、
A 3波の高値(4波の起点)を5波が上抜けするパターン
B ダブルトップを作るパターン
C 3波の高値に5波が届かない右肩下がりのパターン
ダウントレンドの場合は、
A 3波の安値(4波の起点)を5波が下抜けするパターン
B ダブルボトムを作るパターン
C 3波の安値に5波が届かない右肩上がりのパターン
以下からはダウントレンドからのトレ転を例に、どのような値動き、チャートパターンとなるのかを学習します。
A 3波の安値(4波の起点)を5波が下抜けするパターン
”5波ちょい下がり”パターンです。
3つのパターンのうち、最もやっかいなのがこのパターンです。
まだ下へ向かうのか?という局面ですが、ここから直近高値を上抜けする動きを見せると、
チャートパターンとしては逆三尊(ヘッドアンドショルダーズ・ボトム)を形成することがあります。
直近高値で止められたケースを考えてみましょう。
直近高値を抜けられず抑え込まれ場合は注意が必要になります。
ダブルトップやハーモニック系(傾いた形)で底値をさらに下抜けして行く可能性もあるので動きを注視しましょう。
ネックラインを上抜けて、そのネックラインへのリテストからの狙いをつけることになります。
B ダブルボトムを作るパターン
チャートパターンはダブルボトム、またはトリプルボトムを形成することがあります。
ネックラインが形成されますので、
ネックラインを上抜けし、そのネックラインへのリテストからが狙い目となります。第3波の押し目狙いです。
ただし気をつけたいのは、以下のようにAで示したラス戻り高値が近い位置にある場合です。
ラス戻りが近くにあると、赤点線のようにネックラインが斜めに入ることになります。この場合、ネックラインへのリテストが深く入ることがあります。
リテストの深さは5波の中間くらいになります。Aのラス戻りが遠くに位置しているなら問題はありませんが、近くにラス戻りがある場合には斜めに引かれるネックラインに注意しましょう。
C 3波の安値に5波が届かない右肩上がりのパターン
”5波ちょい上がり”パターンです。
このパターンは最も”優秀”としています。
4波・5波がすでに安値・高値・安値を作っていますので、直近安値を上抜けさえすれば、押しを待つだけとなります。
今回の学習動画 あきチャン先生「FXプチ勉強会『4,5波でチャートパターンを予知せよ」
今回の学習動画はこちらです:FXプチ勉強会『4,5波でチャートパターンを予知せよ』
波の完成度合いを戻り波で測る
波動の見方として、戻り波を基準にして波の完成度合いを測る手法が語られています。
どのように完成度合いを測るのかというと、「戻り分が落ちているか」という観点で波動の幅を見るのです。戻りとは、この場合はダウントレンドですので、上方向への波です。第2波や第4波が戻りの波です。
第2波は基準となる重要な波ですが、まずはこの第2波の値幅分しっかりと下に出ているのかを観てみましょう。
②の第2波の値幅を表したのがその両隣にあるピンク点線矢印とオレンジ点線矢印です。ピンクの方はローソク足の実体間の値幅、オレンジの方はヒゲ先からヒゲ先までの値幅となります。
そうしてみると、ピンク点線矢印の戻り分は落ちていることが確認できますが、オレンジ点線矢印の戻り分(ヒゲ先間の値幅)は落ちていないことが分かります。第2波は決済指値の値幅予測に使いますが、ローソク足の実体間とヒゲ先間でかなり違いが出ることがありますので注意が必要です。
第2波を利用しての値幅予測については、こちらの記事を参考にしてください。
第4波で完成度合いを測ると、見えてくる!かも
第4波で波の完成度合いをみた場合、下降トレンドが継続するのなら、画像にピンクの水平線で示しているところまで下降波が伸びてこなければなりませんが、かなり手前で切り替えして上昇しています。
ところで、④と⑤は結果的に第4波・第5波とカウントされることになりましたが、もし下降トレンドがさらに継続していれば4波5波とカウントされないこともあります。
切り替えして上昇したから、衰退波に該当するのは④と⑤。そんな気もしていたけど、やっぱりこれが第4波と第5波だったんだねというような感じでしょうか。
ということはつまり、④の戻り波の値幅分の下降を⑤はせず、波が未完成となった場合には、それが衰退期(衰退波)かもしれないと全体の波動のバランスを観て判断することが可能かもしれません。
全体の波動のバランスを判断するとは、第2波の値幅分しっかりと下に出ているのか、などです。
ただし、ここは「落ちるナイフ」という凶器になる可能性もあるポイントですから、エントリーについての判断は慎重に行いましょう。