第4波と5波は、衰退期の波と定義されていますので、あきチャン先生流に馴染みの無い方は面食らうかもしれません。
波動のカウントは一般的なエリオット波動とは少し違うので、まずは4波、5波の数え方から入ります。
第4波、第5波のカウントについて
波動は成長期、成熟期、衰退期のサイクルとして、4波と5波を衰退波としています。トレンドが出てグイグイと伸びる波は一般的には第5波とされていますが、あきチャン先生流では第3波となります。
1-2-3と数えて行くのが基本です。
伸びる第3波を3-1波、3-2波、3-3波とカウントします。
そうなると第4波と第5波はどこで出現するのかということですが、すでに出現していてトレンドが衰退した時に判断することになります。
トレンドが衰退したと判断出来るのは、最も確実を期すなら反対側に第1波が出てトレンド転換が確認されてからとなりますが、この時点で第4波と第5波が確定することになります(実際にはもっと早期にジャッジするとは思いますが)。
つまり、トレンド継続中に1-2-3と数えていた時の第2波と第3波、あるいは3-2波と3-3波を、トレンド転換により衰退波第4波と第5波に充てがうことになります。
波動についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
このパターンは、高値安値を切り上げてきたトレンドが、高値は更新したが安値が切り上がらずラス押しを割ってトレンドが崩れたパターンです。
結果的には一般的な第1波~5波のカウントと同様になりましたが、
そうではなく、安値は切り上がったが高値を更新できずにトレンドが崩れたパターンでは、特徴的なカウントになります。
トレンドライン上に安値がついたが高値を更新出来ないパターン。画像はダブルトップですが、第5波が右下がりになるケースも含んでいると考えてください。
安値がトレンドラインを割り込んでしまったもののラス押しは割らず(つまり安値切り上げはキープでトレンド継続)、高値を更新出来なかったケース。
一般的には第5波は第3波の高値を抜けるとされていますが、第5波は衰退波なので第3波の高値を抜けなくても問題はなく、アップトレンド終了で第4波、第5波とカウントします。
また、トレンド転換した場合にはアップトレンドの第4波・第5波が、ダウントレンドの第1波・第2波になることもあります。
例としたのはアップトレンドからのトレンド転換でのカウントですが、ダウントレンドからのトレ転でもカウントの仕方は同様となります。
トレンドライン抜けとエントリーポイント
上記の第4波、第5波のカウントを踏まえて、トレンドライン抜けとエントリーについて見てみます。
パターンは数十種類に上りますが、大きく分けると以下の3つが代表的なパターンとしてあきチャン先生が提示しています。
A 第4波がトレンドラインを抜けるがラス押しを割らずに第5波がトレンドラインにリテストをつけるパターン
B 第4波、第5波がトレンドラインより上でダブルトップを作るパターン(5波が3波高値を超えないケースを含む)
C トレンドラインを抜けた波がラス押しも抜けるパターン(高値安値切り上げが安値から崩れるケース)
A 第4波トレンドライン抜け⇒ラス押し割らず⇒第5波リテストのエントリーポイント
Aパターンは第4波がトレンドラインを抜けたことが特徴になります。
ただし、トレンドラインを割った第4波がそのままラス押しラインをも下抜けしてしまうと、
このようにCパターンと同じになりますので、そうではなく、トレンドラインを抜けた第4波がラス押しラインを捉えきれずに反転することが違いとなります。
高値安値を切り上げるトレンドの観点からすると、Cパターンは安値から先に崩れ、Aパターンは高値更新が出来ずに崩れることになります。
また、ラス押しラインへ到達した時点では、Cパターンはトレンドをつけず、Aパターンは第4波と第5波でワントレンドつけているということになります。またAパターンは下降へ転じると三尊系を形成しやすくなるのも特徴になります。
第5波は、第3波の高値を狙って上昇して行きますが、その途上で切り上げトレンドラインにリテストをつけることになります(そのまま3波高値を捉えることもあるので注意が必要です。その場合にはトレンド継続ですから第5波の起点へ新たなトレンドラインを引いて対応です)。
エントリーはラス押し、ラス戻りへのリテストから
トレンドラインへのリテストから下降へ転じると、必然的にトレンド(逆N)をつけながらラス押しを下抜けすることになります。
エントリーはそのラス押しへのリテストを待ってAから。または、安値をブレイクするBからとなります。
B 第4波、第5波がトレンドラインより上でダブルトップ形成のエントリーポイント
ダブルトップを作るまではトレンドラインを割らず、チャートパターンを作ってからトレンドラインを下抜けするケースです。
第3波と第5波がトップとなりますが、第5波が3波高値を捉えられなかったケースも含めます。
エントリーはネックラインへのリテストから
チャートパターンを形成した場合は、ネックラインが大きな役割を果たします。ネックラインを下抜けしたら、そのリテストを待ってのエントリーとなります。
C トレンドラインを抜けた波がラス押しも抜けるパターンのエントリーポイント
通常のエリオット・カウントとは違うと冒頭で書きましたが、とは言え、トレンドライン上に波動が素直に展開して、すんなりと安値を崩して反対側に第1波が出てトレンド転換した場合には、常識的なカウントとなります。
トレンド転換について
ところで、どこからがトレンド転換したと言えるのか、これは人によって認識が違うと思います。
緑の点線はラス押し(ラストの押し目、前回安値)のラインですが、ここを下抜けした時点ではトレンドが転換したとは言えず、トレンドレス(中立波)という認識となります。
トレンド転換は、親波を基準にするなら前々回の安値を下抜けした時点、つまり②、③の安値。下降波の方で見るなら逆Nを形成した時点ですが、
トレンド転換を確認出来た時には、下落がかなり進んですでに衰退期、次のトレンド転換へ、ということもあるかもしれません。
エントリーは第1波確定の押し・戻りから
ラス押し、ラス戻りへのリテストからエントリーをしたいところですが、基本的には第1波が確定した後の押し・戻りからのエントリーが安全・確実ではあります。
今回の学習動画 あきチャン先生「FXプチ勉強会『トレンドライン抜けのエントリーポイント』」
今回学習した動画はあきチャン先生のFXプチ勉強会『トレンドライン抜けのエントリーポイント』です。
トレンドライン抜けのエントリーポイントについては動画後半からの解説となり、前半部ではユーロポンドのショート・トレードの解説を行っています。
「ラス押し・ラス戻りを抜けたら、目線は切り替える」という基本的な考えを解説しています。
TFブレイクアウト
2003年に出版されて現在は絶版となっている「TFブレイクアウト」という書籍があります。元値は4,000円弱の本ですが中古で手に入れようとすると一時10万円近くの価格がついていました。
今回学習した「トレンドライン抜けのエントリーポイント」が、言ってみればTFブレイクアウトの手法と考えても良いのではないかと思います。
こちらにTFブレイクアウトの著者へのインタビュー記事がありますので興味がありましたら御覧ください。
【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】トウキョウフォックスさん(その2)押し目の真の活用法
このTFブレイクアウトの手法を動画で具体的に解説してくれているのが、メンタリスト投資家Saiさんという方。年齢は30代ですが投資家歴は17年で、その蓄積された知識から作られる動画は一見の価値ありです。見かけはアレなんですが、中身は信用出来ます(笑)。
実践で僕が使っているFXのトレーディング手法の1つを公開します!
【手法解説】TFブレイクアウトがamazonで絶版の為→中古で95000円になっている為、責任をもって手法を徹底解説!!
まとめ
トレンドラインを抜けて、トレンド転換するのかしないのかの局面をしっかりジャッジ出来るのなら、トレードで損はしないのではないか、、そう言ってもよいほどの最重要なところだと思います。
有名な迷晴れFXさんも、アップトレンドなら高値更新が止まった時、ダウントレンドなら安値更新が止まった時のその後の動き方を検証すると良いとしています。
大変参考になりますので興味のある方はご覧になってみてください。