「スナイプトレード」は『ささっちのトレード大学チャンネル』で公開されている手法で、考案者のささっちさんの実践では勝率は8割を超えているそうです。
必要なものは、水平ラインと20期間移動平均線のEMA(指数平滑移動平均線)とSMA(単純移動平均線)と至ってシンプルです。
まずはスナイプトレードの流れをひと通り追ってみます。4時間足チャートで環境認識をします。
Aは水平ライン。黄色○のところでしっかりとサポートしていることを確認してラインを引きます。
Bは20MAの2本で、実線が20EMAで破線が20SMAです。
Aのサポートラインを下抜けし、その戻りがサポート転じてレジスタンスラインへ付けた時に、20EMAと20SMAへのタッチをすると、スナイプトレードの条件を満たします。
次にエントリーのために30分足チャートに時間足を落とします。
Cの切り上げトレンドラインを下抜けし、安値D(重要な安値としています)をブレイクしたEでショートエントリー。
決済はTの安値(4時間足でサポートラインを下抜けした安値)まで。下ヒゲが気になる場合にはその上のラインまででも良いとしています。
損切りは直近高値のLに置きますが、余裕を見るならその上の赤ラインでもOKとなります。
スナイプトレードの概要
スナイプトレードは、トレンドフォローのトレードをするオーソドックスなものですが、サポレジ転換と20期間移動平均線へのタッチを押し目買い・戻り売りの条件としてルール化したものです。
スナイプトレードでは監視をする時間足(環境認識)と、トレードを行う時間足の2つの時間足を使います。
環境認識でスナイプトレードの条件を満たしたなら、時間足を落としてエントリーを行います。
環境認識とトレードの時間足の組み合わせは以下が推奨されています。
- 環境認識 : トレード
- 4時間足 : 30分足
- 1時間足 : 15分足
- 日足 : 1時間足
トレンド判断とサポレジ判断
環境認識では、トレンド判断とサポレジ判断の2つを行います。
トレンド判断は、ダウ理論と20期間移動平均線(20EMAと20SMA)を使って行います。
サポレジ判断は、過去の高値安値と20期間移動平均線(20EMAと20SMA)を使って行います。
上の4時間足チャートの場合、ダウントレンドでの戻りがAのサポレジラインに入り、かつBの20EMA(実線)と20SMA(破線)にタッチするとスナイプトレードの条件を満たします。
エントリーと損切り
環境認識でスナイプトレードの条件が満たされたら、2つ時間足を落としてエントリーを行います。
エントリートリガーは、重要な高値安値ブレイクになります。
ピンク○のDの安値下抜けでエントリーとなります。
エントリートリガーは他に、20EMAやボリンジャーバンド1σの終値ブレイクでも良いとしています。
損切りは直近の高値安値に置きます。上のチャートではLが直近高値となり損切り位置です。
決済
スナイプトレードは、環境認識でサポレジラインを抜けた「抜け足」を狙うことになります。
赤○で囲んだ部分が「抜け足」ですが、基本的にはこの安値が決済ターゲットになります。
ですので、前もってどのくらい抜けたのかを把握しておけますので、計画的なトレードが出来ます。
勝率
ささっちさんによると実践上は8割以上あるとしています。
また、勝負を決するのは環境認識であり、エントリートリガーは重要度という意味ではかなり落ちるとしていますので、トレンド判断とサポレジ判断をしっかりと行うことが勝率を上げるために必要となります。
リスクリワード
勝率が高い手法の場合にはリスクリワードが悪いことが多いのですが、このスナイプトレードは1:1から1:1.2は出るとしています。
また、伸びる相場状況に応じて決済を引っ張ることもOKとしています。
その他
スナイプトレードのメリットとして「ポジポジ病を克服できる」としています。
ポジポジ病のせいで負けているという自覚のある方は取り組んでみるべきトレードルールとなります。
スナイプトレードの事例
レンジ抜けのケース
こちらはレンジを抜ける例です(AUDCHF4時間足チャート)。
Aのレジスタンスラインを上抜けし、その押しがサポートラインに転じたAに入ったところがピンク○です。そして同時に20EMAと20SMAにタッチ。
これでスナイプトレードの条件を満たしたので30分足にし、
重要な高値Dを上抜けしたEでエントリー。
決済は高値T、損切りは直近安値のLとなります。
サポレジラインと20MAが少し離れているケース
EURJPY4時間足チャートです。サポレジのオンラインに20MAが入るのが理想ですが、そもそもサポレジラインから上下に幅のあるゾーンとして機能する時には20MAがサポレジラインから離れるピンク○のようなケースもあります。
30分足チャートです。重要な安値DをブレイクしたEからエントリー。決済はT、損切りはLに置きます。
フラッグ抜けのケース
USDCAD4時間足チャートです。上昇トレンド途上のフラッグのケースです。
30分足チャートです。重要な高値DをブレイクしたEからエントリー。決済はT、損切りはLに置きます。
環境認識とエントリートリガー
大きな時間足で環境認識(あるいは監視)を行い、スナイプトレードの条件に合ったら下位時間足に落としてエントリーする、という2つのステップを踏みます。
スナイプトレードのチャンスを監視する時間足は4時間足、1時間足、日足となります。
日足の場合にはスナイプトレードの機会がかなり少なくなることから、4時間足が基本になります。
下位足へ落とす場合、基本的には2つ下(MT4基準)の時間足に落とすことになります。
具体的には4時間足のスナイプトレードなら30分足へ、1時間足なら15分足へ、日足なら1時間足へそれぞれ落としてエントリートリガーを待つことになります。
エントリートリガー
エントリーでは下位足チャートへ落としてエントリートリガーを頼りに行います。
基本は直近の安値または高値のブレイクをエントリートリガーとします。
その他には20EMAやボリンジャーバンド1σをトリガーとして利用するのも良いとしています。
20EMAをエントリートリガーとした場合
EURJPY30分足チャートで直近安値Dをエントリートリガーとした場合が以下のチャートです。
これを20EMAをエントリートリガーとした場合には以下の画像のようになります。
ピンク囲みのE内がエントリー箇所です。20EMA(実線)を終値で下抜けした陰線ローソク足の次の足からエントリーします。
この場合、直近高値はLの位置になるので、損切りが少し広くなることになります。
見ずらいのでチャートを拡大して見てみます。
ピンクが20EMA(実線)をエントリートリガーとした場合です。①が20EMAを終値で下抜けした陰線ローソク足。その次のローソク足Eでエントリーを行います。
ピンクEでのエントリーの場合の直近高値はピンクL(損切り位置)になります。
オレンジのEは直近安値をトリガーとしてエントリーした場合です。安値を下抜けするとトレンドがつくので直近高値はオレンジのL(損切り位置)になります。
このケースの場合、20EMAをエントリートリガーとした方が直近安値よりも早いタイミングでエントリーを行えることになりますが、直近安値トリガーよりも損切りが遠くなることになります。
もう一例、USDCAD30分足チャート直近高値Dをエントリートリガーとした場合が以下のチャートです。
これを20EMAをエントリートリガーとして場合には以下の画像のようになります。
ピンク囲み内がエントリー箇所ですが、これを拡大して見てみます。
オレンジのEが直近高値をエントリートリガーとしてエントリーした箇所です。
20EMA(実線)をエントリートリガーとした場合、ピンク①の陽線ローソク足の終値が20EMAをブレイクしたので、その次のローソク足Eでのエントリーとなります。
20EMAをエントリートリガーとすると、直近高値をエントリートリガーとした場合よりもリスクリワードがかなり悪くなることになります。
参考動画 【勝率8割越え】高勝率で分かりやすい僕が使っている手法を公開します
『ささっちのトレード大学チャンネル』のスナイプトレードの動画はこちらになります。
【勝率8割越え】高勝率で分かりやすい僕が使っている手法を公開します
また、ささっちさんはツイッターでも相場解説などの情報発信を行っています。堅実なプロトレーダーがどのようにチャートを見ているのか参考になると思います。