半値抜けとは~抜けが甘いと次の動きはどうなる?

AUDUSD 4時間足 半値抜け あきチャン動画学習ノート

「半値抜け」、これはチャート研究家あきチャン先生のオリジナルでしょうか。半値を抜けるというような表現なら巷で使われていそうですが・・。

「抜け」の程度を、あきチャン先生は非常に重要視しています。動画のアチラコチラで「しっかり抜けた」「抜けが甘い」などの表現で抜けについて言及しているのは動画をご覧になっている方ならご存知の通り。

この「半値抜け」は、本来食うべきエネルギーを半分しか食えなかった、1対1で抜けるべきところが0.5しか抜けなかったという「抜けが甘い」状態の一つになります。

半値抜けの場合には次の値動きは常にこうなる、というものではないとは思いますが、予測力を上げる引き出しを一つ増やすためにも覚えておきたいチャートの見方です。

本来はネックラインまでの値幅分、落ちなければならない

チャートはAUDUSD(オージー・ドル)の4時間足。ダブルトップの左の山のトップからネックまでの値幅を、あきチャンメーター(ピンクの線)で表しています。

AUDUSD 4時間足 半値抜け

レンジ帯のネックラインを抜けて来た場合には、その値幅分(2本目のあきチャンメーターの①まで)の全値抜けをして、そこから戻って再下落するトレンドフォロー(戻り売り)を想定するのが通常となります。

ところがこのケースでは半値くらいしか抜けて来ませんでした。このような「抜けが甘い」場合は「ひっくり返ってしまう」ことが多く見られるとしています。

半値抜けの次の動き

半値抜けしかしなかったこのケースでは、

  • ダブルトップの位置まで戻される
  • ダブルトップの位置を一気にブレイクする
これらの切り返しが想定されます。

今回のケースでは、トップ位置まで戻って一旦押しが入ってからの再度の上昇で、トップ位置をブレイクしています。

AUDUSD 4時間足 半値抜け

半値抜けの押しは強い

半値抜けとは、本来食うべきエネルギーを半分しか食うことが出来なかったということですが、そうなると逆襲を食らうことになります。

半値抜けのD点から、ここを押し目として反転して上昇していますが、

半値抜けの押し目は強い

と解説されていますので覚えておきたいです。

参考 半値抜けとフィボナッチ

フィボナッチリトレースメントを使ってAを0%,Bを100%として当てた場合、半値抜けDは150と161.8%の間となっています。

半値抜けとハーモニック系との関係

ハーモニック系の動きと半値抜けには、何らかの関係がありそう?です。

AUDUSD 4時間足 半値抜け

ラス押しをX(ハーモニックの起点)とした場合、Bは深めのフィボナッチ88.6%、反転D点は127.2%となっています。ダブルトップの右肩が下がっていればバタフライ・パターンですが、ここでは”ハーモニック系”バタフライとしておきましょう。

ラス押しの一つ前の押し(下から2本めのチャネルライン上)をXとした場合は、Bは深めの61.8%、Dは88.6%となっています。

あきチャン先生流のハーモニックパターンの分類では、ダブルトップの右肩が上がっているケースはガートレーかバットになりますが、ガートレーならDは78.6%(もしくは76.4%)であり、バットならDはピッタリでもBは浅めの38.2~50%ですので、今回はハーモニック系ガートレー&バットといったところでしょうか。

ハーモニック系の動きをしている時に半値抜けがあると、その押し目は強いわけですから、当然ながら反転D点からのハーモニックターンは強いものになると思われます。

ハーモニック系の動きをしているな、と感づいたら半値抜けのチェックを忘れないようにしましょう。

ちなみに、あきチャン先生流のハーモニックパターンの分類については以前に書いていますので、参考にしてみてください。

ハーモニック・パターンの実践的な分類と使い方~あきチャン先生流を学ぶ
まずは定説のハーモニック・パターンをざっくりと勉強です。ハーモニック・パターンのガートレー、バット、バタフライ、クラブは、Mを形成した時(トップが2つ)には4つのパターンすべて右側のトップが下がる形とされています(その逆のW形成の時には右側...

今回の学習動画 あきチャン先生「FXプチ勉強会 覚えておきたい必勝パターン『半値抜けを狙え‼』」

この半値抜けの判断、あきチャン先生はかなり使っているとのことです。

今回のダブルトップ抜けや三尊抜け、レンジ抜け等、半値抜けを覚えておけば、逆張り的に攻めて行くことも可能となりますので、ぜひ覚えておきましょう。

FX研究室あきチャン准教授の動画 FXプチ勉強会 覚えておきたい必勝パターン『半値抜けを狙え‼』

その他の重要な解説など

今回の学習動画の「FXプチ勉強会 覚えておきたい必勝パターン『半値抜けを狙え‼』」で解説された半値抜け以外の重要ポイントをまとめます。

ラス戻り、ファースト戻りにチャネルラインを引く

チャネルラインの引き方が解説されていましたので、流れを簡単にまとめておきます。

AUDUSD4時間足チャート ハーモニック系 フラクタル

1)白Cからの切り下げラインを上抜けしてきたら、黄Dから白Dへ切り上げラインを引く(この時点ではトレンドラインでは無いことに注意)。

2)切り上げラインを動かして効きを確認してみてからチャネルラインを引く。今回引いたラインは

  • ①のラス戻り
  • ②のファースト戻り
  • 下落波の起点のC
効きを確認するとは、ローソク足のヒゲや実体部分がラインに反応しているかどうかということです。

ファースト戻りとは、最初の戻り高値のこと。対するラス戻りは最後の戻り高値なので、今回の場合はちょうど良く頭・胴体・尻尾というパートできれいにチャネルラインが引けていました。

ファースト戻りからの切り上げ線は白A,Cのダブルトップがしっかりと反応していることから、白C切り下げライン上抜けしてのエントリーでの決済ターゲットラインとして有効です。

ただし、オージードル日足チャートを見ると判る通り、

AUDUSD日足チャート 決済位置

0からCを通る切り下げラインと、押し安値①の水平ラインが交差するポイントTが、4時間足ファースト戻りチャネルラインの下に位置しているため、決済指値はTとなっています。

日足の重要な水平線について

上の日足チャートの①と②は重要なラインであるとしています。

①はX→Aへの上昇トレンドの押し安値。②はA→Bへの下降トレンドの戻り高値。

※管理人 日足チャートのXABCDは管理人が勝手にふったものです。動画の内容とは関係ありません。

類似型についての解説

類似系については別記事でまとめましたのでご参照ください。

ハーモニック系の動きなどの類似型を見つけたらここをチェックしよう
チャートはフラクタル構造で動いていると言われます。この場合はマルチタイムフレームでのことを指していると思いますが、同じ時間足チャート内でも同様の構造で動いているのを見ることがあります。これを類似型としてあきチャン先生が解説していましたが、大...
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