今となっては何の意味があったのか記憶にないラインで、チャートが埋め尽くされてはいないでしょうか。
塵も積もれば山となるとは言いますが、それがゴミであればゴミの山が出来るだけ。そうなるとトレードへの悪影響が出ないわけがありません。
分かりやすく、効果的な最小限のラインをさっと引けるようになることこそ、トレード上達の近道かもしれません。
今回は実に効果的な水平線(レジスタンスライン、サポートライン)の引き方について勉強します。
V(逆V)にだけ水平ラインを引く
Vとはダウントレンドとアップトレンドが作るチャートの谷です(アップトレンドとダウントレンドの場合は逆V)。
水平線は、直近のVだけを対象にして引きます。
チャートはドル円の4時間足。5月下旬から6月下旬にかけてのダウントレンドと、そこからのアップトレンドがVを作っています(右側が短いですがVと見ます)。
Vはダウンとアップのトレンドがそれぞれ完成していることが条件とされています。
Vを作るトレンドの完成条件
あきチャン先生はトレンドの完成度合いを測ることが必要としています。
トレンドの完成として
- 1 A→Bの値幅分の第3波(C→D)がしっかり出ていること
- 2 ①アップトレンドラインを下抜けし、②ラス押しを下抜けしていること
2つめのトレンドラインのブレイク&ラス押しブレイクは、AからDへのアップトレンドが折れたことを意味しますが、よって完成ということになります。
完成したトレンドに水平ラインを引く
このアップトレンドに4本の水平ラインを引くとした場合、このように引いてしまうのではないでしょうか。
①と④はこのトレンドの最安値と最高値、②は押し安値、この3本は当然として、問題は③。
おそらく③のラインを引いたからといって間違いというわけではないと思いますが(実際に三尊のショルダーとして効いているようにも見える)、もう一本水平線を引くならラス押しを選択するのがベターとなります。
アップトレンドの水平ラインは押し安値に引く
動画「直近のVにラインを引け」で、あきチャン先生は4本のラインを引いていますが、天底の2本と、押し安値2本を選択しています。次のとおりです。
ラス押しは重要ですから、③ラス押しラインを外すことは出来ません。このチャートの場合はネックラインも兼ねています。
アップトレンドの押し安値に水平線を引くということは、アップトレンドのサポートラインを選択すると覚えても良いかもしれませんね。
普通はこのアップトレンドのように水平ラインは4本ですが、底や天井にダブルボトムやダブルトップをつけた場合などはラインが増えることになります。
ダウントレンドの水平ラインは戻り高値に引く
Vの左側のダウントレンドでは、戻り高値に水平線を引きます。
①は最高値、②③は戻り高値、④は最安値です。③はラス戻りでネックライン兼。
上位足のVに水平線を引く
ここまでのチャートは4時間足でしたが、その上位足の日足にも同様に水平線を引きます。
動画が公開されてから10日ほど経っていますので、現在は新しいVに移行したかな?というところですが、ここでは公開時の日足のVが対象です。
水色(ダウントレンド)の①④は最高値安値、②③は戻り高値。緑色(アップトレンド)の①④は実体最安値と最高値、②③は押し安値です。
執行足と監視足にラインを引こう
執行足チャートと監視足チャートの両方にVの水平ラインを引くことになります。
デイトレードで4時間足をメインにして下位足へ落とさない場合(執行足と監視足が共に4時間足チャート)は、一つ上位の日足チャートのVに水平線を引くことになります。
執行足と監視足で一般的なのは、4時間足チャートで監視して、エントリー間際に1時間足チャートに落としてエントリーするという組み合わせでしょうか。
あきチャン先生によると、
- 1時間足をメインにしているなら4時間足
- 15分足がメインなら4時間足(1時間では短い)
- 5分足がメインなら1時間足
直近のVが更新された時の対応の仕方
新たなダウントレンドが完成すると、直近のVが更新されることになります。
直近のVは赤①から緑②へと、その対象が変わりますので、これに合わせて前回のVのダウントレンドの戻り高値に引いた水平線を、
新しく完成したダウントレンドの戻り高値に移してやる作業を行います。
水平線の使い方
水平線を引いて、それで終わりではもちろんありません。ラインを引いたのはもちろん、トレードのため。
水平線が作るゾーンとスペースを利用したトレードの仕方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
水平線を引く時には、ただなんとなく目立った高値、安値にラインを引くことが初心者にはありがちではないでしょうか。
なんとなく引いているので、自分の引いた線に自信が持てないということにも。
上でまとめた手順で完成したVに水平線を引けば、ラインに自信が持てるようになるのではないでしょうか。
今回の学習動画 あきチャン先生「直近のVにラインを引け」
FX研究室あきチャン准教授の動画 FX土曜勉強会《174》『直近のVにラインを引け‼』