あきチャン先生の動画で学習をしていると、「しっかりと抜けている」「抜けが甘い」という解説をよく耳にします。
例えば、ゴールデンウィークのドル円の戻り売りの局面。
4時間足チャートのトレンドラインを割ってきたので日足チャートを確認後、目線は下と判断してトレンドフォローの戻り売りを仕掛けた場面です。
Aの安値を割ってトレンドをつけた下落波の戻りを待ってのエントリーは①か②となるわけですが、あきチャン先生はピンクの安値からの戻りは「抜けが甘い」と判断し見送り、再度下落してつけた黄色の安値からの戻りの②からエントリーをしています。
動画では、「①の戻りポイントでのエントリーでも良いが、ストレスを感じたくなかったら②でのエントリーの方が良い」と解説しています。
つまりピンクの下抜けの仕方では①でエントリーをしても、また戻りがあるということを予測しているということになります。
一方の黄色の安値については「アクセルを踏んだローソク足が出た」とあきチャン先生は表現していますが、勢いのある強いローソク足で直近安値となるピンクのラインを下抜けて安値を更新。この戻りからエントリーを仕掛けています。
Aの安値を下抜けした時のローソク足を比較すると
- ピンクは、ひげ先のみの安値更新
- 黄色は、トレンドラインを割った時と同様の強いローソク足
そして戻りを比べてみると
- ひげ先のみの安値更新のピンクは、戻りが弱い
- トレンドラインを割った時と同様の強いローソク足で安値を更新した黄色は、戻りも強くピンク①の高値を上抜く
このあたりのプライスアクションの傾向を掴むことが出来れば、予測力が格段に上がるのは間違いの無いところでしょう。
また仮に、「しっかり抜けた」からこそ、その後の下落が確定的になったとすれば、逆に考えれば、下落するなら(あるいは上昇するなら)どこかで「しっかり抜ける」プライスアクションを見せることになり、ここが最も興味のあるところです。
このページでは折にふれて、トレンドラインやレジサポライン、高値安値更新の際の「しっかり抜けた」「抜けが甘かった」の検証を行って行きたいと考えています。
「しっかり抜けた」事例
ギャップダウンで安値を下抜けしたEURJPYの4時間足チャート2019.5.6
ギャップダウンで親波の安値をローソク足1本がしっかりと下抜けした2019年5月6日(XM)のEURJPY4時間足のチャートです。
アップトレンドライン(ピンク)を割った下降波が、その親波の起点である安値を、ギャップダウンでローソク足1本の割り込みを見せています。そして窓埋めのリバウンドの後、20EMAにタッチして親波の起点から約100pips下の日足ラインまで下落。
このローソク足1本の下抜けについて、あきチャン先生は動画で
とコメントしています。
この”サイン”のようなローソク足の抜けを知っておけば、その後の戻ってくるところを待ち構えてショートを打ち込むことが容易になります。
ところで、この下落にはその前段階としてとても興味深いあきチャン先生のチャートの見方がありました。
上の画像の親波は、下の画像の緑のトレンドを付けた上昇波(②、第2波)となりますが、
(下抜けサインのローソク足はSで指し示しているところ、Aからの下降第3波となります)
親波の高値ラインより上にあるAの値幅分が、親波の安値ラインの下のBに抜ける、と解説しています。
1波の長さ分の3波が出るということですが、
この場合、左側の波動で見るか、右側のNで見るか、どちらか片方で見ているのが一般的かと思われます。右側のN理論の見方をする人は少数派でしょうか。
あきチャン先生の場合は両方でチャートを見ているわけですが、ここに複雑な値動きをシンプルに読み解く鍵があるような気もしています。
EURJPYの親波の攻略法についてはこちらの記事で書いています。
「抜けが甘い」事例
「半値抜け」の解説
半値抜けは、例えばダブルトップを作ってネックラインを抜けて下落した場合、トップからネックまでの値幅と、ネックラインから下落到達点までの値幅が1:1であるべきなのに、その半分の1:0.5の下落しかしなかったということです。
ギャップブレイクでしっかり抜けたニュージーと抜けが甘かったオージー
クロス円でのオセアニア通貨ペアのニュージーランド円とオーストラリア円の比較です。
ニュージー円の方はギャップダウンでラス押しをしっかり抜けてブレイクしたのに対して、オージー円の方はギャップダウンでの抜けが甘かったという事例。このような時にどのようにトレードの方針を立てれば良いのか参考になります。