トレンド転換のサインとなるプライスアクションとして、上昇トレンドの果ての天井で長い上ヒゲのローソク足が出るとスパイクハイ、その反対の下降トレンドの終わりに底値で長い下ヒゲのローソク足が出るスパイクローがあります。
そのような天底でのドラマティックなトレンド転換ばかりではなく、レンジの上限・下限や、戻り売り・押し目買いのポイントなどでも比較的長いヒゲローソク足が出現して上昇・下降の起点になっていることは少なくありません。
あきチャン先生は上のポンド円4時間足チャートのEでショートエントリーを仕掛けています。
エントリーの根拠は一番にレンジ上限であること、次に「動く上ヒゲローソク足」としています。
あきチャン先生によると、今回エントリーした上ヒゲのローソク足は、ヒゲの動きがそのまま次のローソク足に伝わってすっと動いていく(下落して行く)タイプだとしています。
それとは逆に少しもたつく上ヒゲのローソク足のタイプもあるとして解説しています。
すんなり動いていくタイプと、もたつくタイプは形状はおなじヒゲ付きローソク足であっても、内部の動き方に違いがあります。
以下から4時間ローソク足のヒゲのメカニズムを学習します。
動いて行くローソク足
ポンド円4時間足チャートの上ヒゲローソク足を拡大したのが以下のチャートですが、
この上ヒゲローソク足を1時間足チャートで見たのが以下のチャートです。
黄色で囲んだ1時間足4本で4時間のローソク足が作られているわけですが、最後の4本目がその前3本を包み込むように大きく動いていたことが分かります。
この4本目のローソク足はアウトサイドと呼ばれるプライスアクションですが、最後の1時間に上と下に大きく動いて、4時間足ローソクの上ヒゲを作り、さらに下落して安値も作っています。
この4本目の1時間ローソク足にも上ヒゲが長く出来ています。さらに15分足でも見てみます。
オレンジ縦線を2本入れていますが、左の縦線が4時間足の始まりの時刻(2020.01.24 08:00)、右の縦線が4時間足の最後の1時間の始まりの時刻(2020.01.24 11:00)です。
黄色の囲みの中は最後の1時間の15分足4本ですが、後半の30分の2本の大きな陰線が高値と安値を作っていることが確認出来ます。
このように、エントリーの根拠となった4時間足上ヒゲローソク足は、最後の1時間が大きく動いて(高値を作りそこから下落)上ヒゲを作っていたことになります。
さらにはその最後の1時間足も、後半の30分で高値を作ってから大きく下落して上ヒゲを作っています。
あきチャン先生は4時間足の確定を待たずに15分前あたりでショートエントリーを仕掛けていますが、このようなメカニズムで4時間ローソク足が動くと、その勢いが次の足に伝わり、すんなりと動いていきやすい(下落して行く)としています。
一つ前の陽線を完全に包み込んでいる「アウトサイド」。アウトサイドしたローソク足の安値を下抜けすると下落継続するとみることになります。
また、一つ前の陽線の高値を一旦上抜けしてから下落に転じて一つ前の陽線の安値を下抜けした動きは「リバーサルハイ」となります。
アウトサイドとリバーサルについてはこちらの記事をご覧ください。
トレンド転換のシグナルとなる「スパイクハイ」は、その高値(ヒゲ先)が前後のローソク足よりも目立って高いことが条件とされているので、黄色囲みの上ヒゲのローソク足は厳密にはスパイクハイではないのでしょうが、レンジの天井圏で目立つ長い上ヒゲはシグナルとなっています。
もたつく上ヒゲローソク足
では、少しもたつくことのある上ヒゲローソク足は、どのように出来ているのかを同じくポンド円4時間足チャートで見てみます。
黄色の○内が、上ヒゲローソク足と少しもたついた場面です。拡大したのが下のチャートです。
4時間の上ヒゲローソク足を、以下の1時間足チャートで見ると、
1本目が陽線、2~4本目が陰線となっていることが分かります。
つまり、すっと動いていくタイプは4時間の最後の1時間で上ヒゲを作っていたのに対して、もたつくタイプは4時間の前半で上ヒゲを作っていたことが分かります。
この違いがその後の動きに差をもたらすとしています。
動くローソク足そのほかの事例
同じくポンド円4時間足チャートから、その他の動くローソク足を見てみます。
動くローソク足その2
黄色囲みの上ヒゲローソク足は、その後にすんなりと下落をしていることが確認出来ます。
1時間足でみると、
4時間の最後の1時間の4本目がアウトサイド、リバーサルとなっていることが分かります。
動くローソク足その3
黄色囲みの下ヒゲローソク足から上昇をしています。ただし下ヒゲローソク足は陰線です。
この場合1時間足ではどのような動きになっているのでしょうか。
3本目の陰線ローソク足が安値をつけ、4本目の陽線で上昇するもそこで時間切れという格好。
次の4時間足の最初の1時間足に勢いが繋がって上昇して行ったということになります。
底値圏で長い下ヒゲをつけた4時間ローソク足が陰線で終わった場合には、後続する1時間足の勢いを確認するのが良いようです。
動くローソク足その4
これは底値圏で出た下ヒゲの長い陰線のピンバーです。
その後、上昇していますが内部はどのように動いていたのでしょうか。1時間足を見てみます。
3本目の陰線ローソク足が安値をつけ、4本目の陽線でほぼ始値まで上昇して4時間確定となっています。
次の1時間では動かなかったものの、その次の足から上昇を開始しています。
事例その3と同様に底値圏での長い下ヒゲの陰線ピンバーの場合も、続く1時間足の勢いが鍵になるようです。
「直近の波揃い」第4波第5波の重なりについて
冒頭にも書いたように、ポンド円4時間足でのエントリー根拠には、レンジ上限、動く上ヒゲローソク足、チャートパターンとして三尊、移動平均線20MAのデッドクロス、2つの波動カウントの第4波第5波の重なりがありました。
動画のタイトルにもある「直近の波揃い」は、2つの波動カウントの第4波第5波の重なりとなります。
どういうことかというと、まず直近で最も小さな波動をカウントした場合、
このようにカウントすることになります。次に少し長めの波動をカウントしてみると、
このようにカウントすることになります。
この2つの波動カウントでは、第4波と第5波が重なることになります。「直近の波揃い」です。
そうなると2つの経路がともに第4波と第5波としていることから、その信頼性が高まることになります。
第4波と第5波は衰退波なので、レンジ上限につけたのが第5波であれば上昇波動は終了、次は下落波が始まることになります。