FXの基本的なシナリオの立て方は、親波を征服(攻略)して行くことになります。
攻略対象の親波はどの時間足のものかは、人によって、あるいはその時の相場環境によっても違ってくるかと思われますが、あきチャン先生の場合は日足で環境認識をすることが多いとしています。
親波の高値と安値それぞれの水平ラインに加えて、重要なラインABCの3本を引きます。
- Aは親波のネックライン
- Bは親波のラス戻り高値(親波がアップトレンドならラス押し安値)
- Cは切り返し(トレンド転換)のネックライン
ちなみにBのラス戻り(あるいはラス押し)のポイントは、フィボナッチ・リトレースメントでは50%から61.8%の「半値戻し」にあたります。
下降のトレンドが強い場合には、半値戻りから下落して行くことになりますので要注意となります。
よって、親波の攻略はBのラス戻り(あるいはラス押し)を境にして、
前半はBのラス戻り(あるいはラス押し)までのトレード。後半はBのラス戻りをブレイクしてからのトレードという2つのパートで考えるのが良いかもしれません。
水平ライン間を獲るイメージを持つ
親波の攻略は、水平ラインと水平ラインの間を獲るイメージを持って順次行っていくことが基本になります。
高値と安値、ネックライン2本とラス戻りの計5本の水平ラインで、4つのスペース(区間)が出来ることになります。
親波を日足チャートに求めた場合には、各区間を下の時間足の4時間足か1時間足に落としてトレードを行うことになります。
(ⅰ)トレンド転換からネックラインまではトレード不可
トレンド転換からネックラインまでの区間は、ダブルボトム・ダブルトップなどのチャートパターンを形成したり、あるいはレンジで揉むところとなりますので基本的にトレードは不可であり、ネックラインから第1波が抜け出るかを監視する区間です。
第1波の定義にはいくつかの見方がありますが、基本的な完成基準は、底値からネックラインまでの値幅と同幅がネックラインから出ることとなります。
(ⅱ)転換ネックラインからラス戻り(ラス押し)まで
Cのトレンド転換のネックラインからBのラス戻りまでの区間には基本的に2つのエントリーポイントがあります。
エントリーポイント①
①はネックラインから抜け出てくる第1波の後半部分を狙うポイントです。あきチャン先生によると「細かい押しがつく」としていますので、その押しを捉えてエントリーすることになります。
決済は基本的にはBのラス戻りライン(直近高値)までの狙いとなりますが、第1波の定義に絡めて底値からネックラインまでの値幅分を、ネックラインから指すと考えても良いです。ただしBのラス戻りの手前に目立つ節値があればそこまでにするような安全な指値が①では推奨されています。
エントリーポイント②
②はネックラインにリテストをつけて上がる、あきチャン先生曰く「本気上げ」を狙うエントリーポイントとなります。第1波が完成していれば基本的にこのポイントから第3波がスタートすることになります。
決済ターゲットは、②は本気上げなので2つ上の高値となるAのネックラインまで指しても良いのですが、直近高値のBのラス戻りラインで5割あるいは8割を決済して残りをネックラインまで引っ張る分割決済が推奨されています。
(ⅲ)ラス戻り(ラス押し)から親波ネックラインまで
Bのラス戻りからAの親波ネックラインまでの区間にも2つのエントリーポイントがあります。
エントリーポイント③
①と同様に、③もBのラス戻りラインを抜けて小さな押しが入るとしています。その押しを捉えてエントリーし、直近高値のAのネックラインまでを狙うことになります。
エントリーポイント④
②と同様に、あきチャン先生の表現では「グルッと」Bのラス戻りラインにリテストが入って来た④がエントリーポイントです。
決済ターゲットについては、これも②と同様に2段上の親波高値までを狙う場合には、Aのネックラインで一旦決済を入れる分割決済が推奨されています。
(ⅳ)親波ネックラインから親波起点まで
Aの親波ネックラインから親波の高値までの区間のエントリーポイントは1つだけとなります。
エントリーポイント⑤
①、③と同様にAの親波ネックラインを抜けたところから高値までを狙います。
エントリーポイント⑥
⑥はエントリーを見送ることになります。親波の高値を抜けて行くかどうかは判らない(むしろトレンド転換する可能性が高い)ところだからです。
ドル円チャートのエントリーポイント①と②の解説
水平ラインとフィボナッチ・リトレースメントを加えたドル円日足チャートです。
フィボナッチ・リトレースメントの50%~61.8%の間にラス戻り高値があることが判ると思います。
エントリーポイント①と②は以下に記したところとなります。
水平ラインはAが親波ネックライン、Bが親波ラス戻り高値、Cが転換ネックラインです。
環境認識をした日足チャートから4時間足チャートに切り替えます。
エントリーポイント①は「小さな押し」から、②は「グルッと大きな押し」からエントリーすることになると解説されていますが、それが見て取れます。
エントリーポイント②の場合は4時間足チャートで切り下げラインを引けば、さらに時間足を落とさなくてもエントリーが可能なことが分かります。
一方でエントリーポイント①の「小さな押し」は、さらに1時間足に落とした方が良さそうです。
1時間足チャートです。エントリーポイント①の「小さな押し」は1時間足に落として切り下げラインを引けばエントリーし易いことが確認出来ると思います。
ドル円日足チャートに戻ると、下位の時間足で引いた切り下げラインはこのように見えます。
学習動画 FXプチ勉強会『FX基本シナリオ』
あきチャン先生が「トレードシナリオの基本中の基本」と解説しているのが上のチャート図となります。細かなニュアンスの違いがあると困りますので、ぜひ動画で再度確認していただけたらと思います。 FXプチ勉強会『FX基本シナリオ』