チャネルラインがブレイクされた場合に、それまで引いていたチャネルをどうするべきか、その弊害と扱い方、そして正しいチャネルラインの考え方をAUDUSD(豪ドル・米ドル)の日足チャートを例にして学習します。
AUDUSDの現在のチャネルラインは、あきチャン先生によるとこれが正しいチャネルとなるのですが、
ここに至る前には初頭に引いたチャネルラインがあって、現在のチャネルラインに変化しています。
初頭のチャネルラインとは、2019年初のフラッシュ・クラッシュを安値としたVに引かれたものです。
長いヒゲがあるローソク足ですのでVの安値を実体か、それともヒゲ先にするかはともかく、Vの左右2つの高値①から③への切り下げラインをまずは引くことになります。
黄色のラインが初頭の切り下げラインです。
この初頭のチャネルラインは、以下のように赤の囲み2箇所でブレイクされましたが、
ブレイクされたチャネルをそれ以降も使っていると、予測にブレが出るのでは?という懸念が生じます。
例えば2つ目の赤囲みではかなり上抜けされていますが、これでは下目線に迷いが生じたり、そもそも目線を上に切り替えてしまうこともあるかもしれません。
最初にブレイクされたポイントでは新たにピンクのチャネルラインが引かれることになりますが、新しいチャネルラインの場合では2つ目の赤囲みの動きはチャネル内に収まる動きに過ぎません。
黄色で表した初頭のチャネルラインを残しておいても決して間違いということではありませんが、予測の精度を落とさないためにはブレイクされたチャネルラインを軽視(もしくは廃棄)し、フレッシュなチャネルラインを重視するのが良いというのが、あきチャン先生の見解です。
初頭のチャネルラインを使ってチャネルの学習
チャネルにはトレンドチャネルとレンジチャネルがありますので、これの学習をしますが、その前によく引いてしまいがちな以下のチャネルラインについての是非を。Bで示したラインです。
こんなチャネルライン(トレンドチャネル)の引き方はNG
①②③の3点でVが形成されたので、①から③へ引いた切り下げラインAが初頭のチャネルラインになります。そのAを平行移動(コピペ)して、レンジチャネルとトレンドチャネルの2つのチャネルを引くことになります。
Aを平行移動させたBのラインは、実際効いているように見えます。見えるのですが、、
Bのラインの起点になっている押し目(安値)は、初頭の①②③のVとは関係が薄く、トレンドチャネルとは言えません。
この安値から出るチャネルラインとしては、原則的にはピンクの新しいチャネルのライン(トレンドチャネルのライン)が出るべきであり、それが正しいことになります。
トレンドチャネル
Vの高値①と③の切り下げラインAをVの安値②へ平行移動したのがBで、このAとBのチャネルがトレンドチャネルになります。
このケースでは長いローソク足のヒゲが気になるところですが、実体②とヒゲ先②の両方に引くことになります。
あるいは、第3波が完成するまではこのトレンドチャネルの中を波が動いていくだろうということになります。
レンジチャネル
小波に対する親波(支配波)の関係と同様なのが、トレンドチャネルとレンジチャネルになります。
なのでレンジチャネルが最大幅となり、その中をトレンドチャネル(時には複数回のトレンド)が通ることになります。
①②③のVのトレンドチャネルAB(②はローソク足の実体の方)を支配するのが緑で囲んだ波です。その起点0へAを平行移動したのがC点で、このAとCのチャネルがレンジチャネルになります。
起点0がローソク足の実体かヒゲ先か迷う時は2本引きます。
長いヒゲを考慮すると正式なチャネルとは言えない
長いヒゲの存在を考えた場合、ヒゲ先②の底値を抜けたのは以下のチャートの緑の囲みのところです。
つまりヒゲ先②の安値の赤の水平ラインを下抜けして初めて、トレンドがついたということになります。
なので初頭のVの高値①から③へと引いたチャネルラインAは、緑の囲みの下抜けでようやくトレンドラインになったといういことで、実はそれまではトレンドラインでは無かったというのが事実です。
初頭の①の高値から②のヒゲ先の安値までの間を、緑の囲みまでウェッジのような形で揉んでいたと捉えることもできます。
よって、あきチャン先生によると「切り下げラインAをベースにしたチャネルは正式なチャネルとは言えない」としています。
正式なチャネルライン
チャネルラインは「ちゃんとしたトレンドに引いてやる」ことが前提となります。そうなると、フラッシュ・クラッシュ以降では
チャートに示した緑の矢印のトレンドを対象にするのがやはり正解となります。
もちろんそれまでは①②③のVで引いたチャネルがメインですが、
③④⑤のVで新しいピンクの切り下げラインが引かれて新しいチャネルラインとの併用状態となり、③⇒④⇒⑤⇒⑥の第1波、第2波、第3波を確認した時点で主役の座は新しいピンクのチャネルへと移ります。
AB間がトレンドチャネル、AC間、AD間がレンジチャネルとなります。
このようにちゃんとしたトレンドからトレンドチャネルを引いてやると、⑤⇒⑥の第3波が③⇒④の第1波よりも大きく出てBのトレンドチャネルラインを下抜けするのを確認出来ます。
まだ下に向かう勢いを感じ取ることも出来て、トレードがやりやすくなるとあきチャン先生は解説しています。
③④⑤でVが出来た時にチャネルラインが引かれますが、その時点で⑤から始まる第3波の第1目標はトレンドチャネルラインのB、第2目標はレンジチャネルラインのCとなります。
波動は、③⇒④が第1波、④⇒⑤が第2波、⑤⇒⑥が3-1波、⑥⇒⑦が3-2波、⑦⇒⑧が3-3波ですが、③④⑤のVから引いたチャネルラインの中をきれいに波が動いているのが分かります。
チャネルラインとの隙間があるとき
赤の囲みでは、高値がピンクのチャネルラインに届かずに隙間が出来ています。
このような場合、黄色で囲んだ高値にはヒゲ先が2本ありますから、もう一本のヒゲ先を使って切り下げライン(緑ライン)を引くと良いとしています。
レンジチャネルをトレンドチャネルがブレイクしているケースは
直近のトレンドにチャネルラインを引くとした場合、
矢印で示したトレンドが直近となるわけですが、このトレンドにはチャネルラインを引いていません。なぜでしょうか?
直近トレンドに引いたチャネルラインが以下の黄色ラインとなりますが、
①と③のラインの間がレンジチャネル、①と②のラインの間がトレンドチャネルとなりますが、②のラインが③のラインの外側に位置しているのが分かります。つまりレンジチャネルをトレンドチャネルがブレイクしている状態となっています。
下降トレンドはAC間のレンジチャネルの中を動いているので、③④⑤のVのチャネルに優位性があるとし、⑤⑥⑦のチャネルは引いていないとしています。
ブレイクされたトレンドチャネルのラインは消しても良い
これについては、ケース・バイ・ケースかとも思いますが、
⑤⇒⑥の3-1波でBのトレンドチャネルはブレイクされていますので、Bのラインは消しても良いかな、あきチャン先生は解説しています。
FXプチ勉強会 まだ突破されてないチャネルを引け
細かなニュアンスを拾えていないかもしれませんので、動画の方で再度確認してみてください。
フィボナッチの裏当て
フィボナッチの裏当てを使う場合、まだトレンドが伸びている状態で裏当てするケースでは適切に当てるのが難しくなるため、上位足から順当てするやり方が解説されています。
今回の学習動画 FXプチ勉強会 まだ突破されてないチャネルを引け