ダブルマウンテンとは、20期間移動平均線の20EMA(指数平滑移動平均線)と20SMA(単純移動平均線)が2つの山を造るようにクロスした状態のことです。
あきチャン先生が”FX土曜勉強会《161》『三角から四角への変体を獲る』”でスイスフラン・円の4時間足チャートの解説の際に「鉄板パターン」と話していたものです。
20EMAと20SMAのクロスならしょっちゅう起こっていることですし、2つの山に見える”ダブルマウンテン”はたくさん見つかるのかな?と思っていたのですが、スイスフラン・円のダブルマウンテンのような綺麗な形になるのは非常に珍しいことが分かりました。
これが理想的な形のダブルマウンテンです。
ダブルマウンテンが出来るメカニズムはとても単純で、上昇して下降することです。4時間足チャートですと、だいたい1日から2日くらい上昇して同様に1日から2日程度の下落があると形作られます。
反対に1日から2日程度の下落の後に上昇すれば「ダブルバレー」が作られることになりますね。
ダブルマウンテンからのショートの検証の概要
ダブルマウンテンはあきチャン先生が「鉄板パターン」とするだけあって、たしかにざっと見る限りは、ショートを入れていけば勝てるのでは?と感じるほど、機能しているように思えるのです。
値幅についても、ポンド系で100pipsほど、それ以外の通貨ペアで50pipsほどの下落幅が4時間足であります。
ダブルマウンテンからのショート、そしてダブルバレーからのロングがものになるかどうか検証して行きたいと思います。対象とするチャートは4時間足と1時間足とします。
ただし、スイスフラン・円のように綺麗なダブルマウンテンを描くことは滅多に無いと思われますので、多少形が崩れていてもOKとします。
標本とも言うべきスイスフラン・円の4時間足の20MAのダブルマウンテンを1時間足チャートで見ると以下のようになります。
4時間足の20MAは、1時間足では青緑の80MAになります。EMAが実線、SMAが点線です。
青緑のダブルマウンテンの真ん中を、1時間足の20MAが下抜けているのが分かります。
4時間足チャートで20MAがダブルマウンテン造りを完了させた時には、すでにレートも下落を完了させているでしょう。
よって、ショートのエントリータイミングは
①4時間足の20MAのダブルマウンテンの半分が出来上がった時点で(左側の山が完成した時点で)、
チャートを1時間足に切り替えます。
②80EMAと80SMAのクロスポイントあたりへ20MAがクロスして下抜けをトリガーとして
③リテストからエントリー
とします。
また、
④ラス押しまでの値幅の測定
⑤最安値までの値幅の測定
を、ダブルマウンテンから、エントリーポイントから、それぞれ行って検証します。
ちなみにリテストについては、
- ダブルマウンテン(クロスポイント)へのリテスト
- ヨコヨコからMAへ寄りのリテスト
- リテストなしで真っ逆さまに下落
また損切りについては、非ポンド系で20pips、ポンド系で40pipsと一律の幅とします。リスクリワード1:2の想定です。
NZDJPY
ニュージーランドドル・円4時間足チャートの20EMAと20SMAのクロスによるダブルマウンテンの検証です。
2019/04/03の検証結果 ▲20pips
4月3日のダブルマウンテンは、左側の山は良い形なのですが、右側が潰れてしまって正確にはダブルマウンテンの形を完成させていません。ですが、左側が山を作ってクロスした時点でトリガー発動がルールなので対象とします。
2019/4/3の1時間足です。ロスカットとなりマイナス20pipsです。
4時間足の20EMAとSMAは、1時間足チャートでは青緑の80EMAとSMAになります。下の4/16と5/1のチャートと比べると、青緑の80MAを20MAが上から下にクロスするタイミングが明らかに早すぎることが分かります。
4月16日と5月1日の1時間足チャートでは、ダブルマウンテン(80MA)のクロスと同時くらいに20MAが上から下にクロスしています。
このタイミングは重要かもしれません。
2019/04/16の検証結果 ○45pips
2019年の4月16日と5月1日にダブルマウンテンを確認出来ます。
2019/4/16の1時間足チャートで値幅を検証します。
- リテストのエントリーポイントからの値幅
- ①ラス押し 20pips
- ②安値 45pips
- ③最安値 65pips
- ④最大 75pips
- ダブルマウンテン(クロスポイント)からの値幅
- ①ラス押し 25pips
- ②安値 55pips
- ③最安値 75pips
- ④最大 85pips
2019/05/01の検証結果 ○30pips
2019/5/1の1時間足チャートです。
- リテストのエントリーポイントからの値幅
- ①ラス押し 00pips
- ②安値 30pips
- ③最安値 55pips
- ダブルマウンテン(クロスポイント)からの値幅
- ①ラス押し 10pips
- ②安値 40pips
- ③最安値 65pips
実際のトレードではその下までは指値を置くと思いますが、ネガティブ側で利確としています。