フィボナッチ・リトレースメントで使われる数値は、0 38.2 50 61.8 100%を基本として、これに23.6 76.4%を加えるのが一般的です。
ハーモニックパターンでは、0 23.6 38.2 50 61.8 78.6 88.6 100 127.2 161.8%が使われることが多いようです。
ガートレー・パターンの転換点のDは、フィボナッチ・リトレースメントの78.6%で説明されていることが多いですが、76.4%としている人もいます。
ガートレーのDは78.6%なのか76.4%なのか、どちらが正しいのでしょうか。
どちらであろうと大した差はないことは重々承知の上で、どちらを採用するのかトレーディングビューの描画ツールのXABCDパターンを引いて確認してみました。
ガートレー・パターンの定義
ガートレー・パターンの定義は、こちらを参考にしてみましたが、
ABの調整幅がXAの0.618、BCの調整幅がABの0.382もしくは0.886、CDがABの1.27もしくは1.618、CDの調整幅がXAの0.786に達すること。Dにおいて価格が反転する。
この部分、「CDがABの1.27もしくは1.618」は、おそらくなのですが間違っていて「CDがBCの1.27もしくは1.618」が正しいのではないかと思われます。
(※以下、「CDがABの・・・・」の部分は「CDがBCの・・・・」に変更しています)
また、一般的にはC点は38.2~88.6%の範囲で説明されていることが多いようですが、「BCの調整幅がABの0.382もしくは0.886」の文を見る限りは「OR」に受け取れますが、、、どうなのでしょう。
ガートレーには2つのC点がある(もしくは範囲の上限と下限)
ガートレーのXABCDの定義からは
- ABの調整幅がXAの0.618
- BCの調整幅がABの0.382もしくは0.886
- CDがBCの1.27もしくは1.618
- CDの調整幅がXAの0.786
- BCの調整幅がABの0.382の時、CDがBCの1.618
- BCの調整幅がABの0.886の時、CDがBCの1.27
BCの調整幅がABの0.382の場合
まずはBCの調整幅をABの0.382に設定してみます。
「BCの調整幅がABの0.382の時、CDがBCの1.618」より、XABCDの価格を
- X:10000
- A:20000
- B:13820
- C:16180
- D:12140
このようにすると「ABの調整幅がXAの0.618」と「CDの調整幅がXAの0.786」を満たします。ですが、
「CDがBCの1.618」にはならず、1.712になってしまいます。
ここで、「CDがBCの1.618」となるようにDの価格を変えてみます。
「CDがBCの1.618」となったDの価格は12360前後で、これはフィボナッチ0.764の価格です。
ピタリと嵌ったように思えるこの設定では「CDの調整幅がXAの0.786」ではなく0.764となりました。
BCの調整幅がABの0.886の場合
では次に、BCの調整幅をABの0.886に設定した場合です。
「BCの調整幅がABの0.886の時、CDがBCの1.27」より、C点の価格を16180から19295.5に変更します。XABCDの価格は
- X:10000
- A:20000
- B:13820
- C:19295.5
- D:12140
「ABの調整幅がXAの0.618」と「CDの調整幅がXAの0.786」を満たすと、やはり「CDがBCの1.27」とはならず、1.307となってしまいます。
同様に「CDがBCの1.27」となるようにDの価格を変えてみます。
Dにフィボナッチ0.764の価格の12360を設定すると、「CDがBCの1.27」に極めて近い数値の1.267となります。
こちらも「CDの調整幅がXAの0.786」ではなく0.764の方が収まりが良かったという結果に。
まとめ ガートレーのDのフィボナッチは76.4%を個人的には採用
D点のフィボナッチ・リトレースメントは78.6%なのか、それとも76.4%なのか。
つまりは画像の青○の数値を優先するならば、
- BCの調整幅がABの0.382の時、CDがBCの1.618
- BCの調整幅がABの0.886の時、CDがBCの1.27
そうではなくDは78.6%で行きたいという場合には、青○の数値がズレるということになります。
個人的にはフィボナッチ・リトレースメントを使う際には、0.236があるので、1-0.236の0.764の方を設定しておいた方が便利だろうという判断から76.4%を良しとしましたが、実践ではD点からの反転が76.4%でも78.6%でも、大勢に影響はありませんよね。
参考 0.786という数値について
0.786という数値は、フィボナッチの基本数値の0.618の平方根だったり、1.27の逆数であったりとかなり重要そうな数値です。
ガートレーパターンで使用した比率は0.618から進展変化したもので、0.382=1-0.618、0.786=0.618の平方根、0.886=0.786の平方根、1.27=0.786の逆数、1.618=0.618の逆数といった具合である。
引用元:くガートレーパターンの分析 – 東岳証券