②の1D(水平ライン)を上抜けするということは、同じ②から引かれた2D(斜めライン)まで到達すると考えることが出来る、というのがこの記事で書いている内容となります。
1Dとは、高値や安値などの上下の価格だけで動いている水平線(サポートライン・レジスタンスライン)のことで、一次元です。
2Dとは、トレンドラインや切り上げ・切り下げライン、チャネルラインなどの斜め線のことで、X軸とY軸の二次元です。
チャートは斜めに動いているので、2Dのラインを引くのは必須と言えるでしょう。
とはいえチャートを読み解くためには斜め線だけでは不完全で、1Dと2Dの両方を上手く組み合わせることが必要になります。
まずは1Dの基本
1トレンドを完成させているアップトレンドに対して1Dラインを引きます。
①高値のライン ②ラス押しライン ③ダブルボトムのネックライン ④安値のライン
合計4本の水平ラインを引くのが基本となります。ラス押しがどちらか判らない、ヒゲが長くヒゲ先と実体に引く等、本数が増えてもかまいませんが、大切なのは、高値・安値・ネックライン・ラス押し(ダウントレンドの場合はラス戻り)の4箇所に引くということです。
1Dラインを使った攻め方
①のトップからレートが下落して来て、②のラス押しラインを下抜けした場合は、戻り売りを狙います。
決済のターゲットは③のネックラインとなります。
さらに下落して④の安値ラインを下抜けした場合は、トレンドフォローで再度、戻り売りを狙います。~~これが基本的なトレードプランとなります。
2Dラインを引く
1Dラインに加えて2Dラインを引きます。
2Dライン(斜め線)はオレンジです。1Dと同様に計4箇所に2Dラインを引きます。
最初のトレンドをつけた下落の段階で、トレンドライン①を引きます。
これを平行移動(コピペ)して、第3波の起点のラス押し②に当ててチャネルラインを引きます。
ダブルボトムのネックライン③に同様にチャネルラインを引きます。
そして最後に、安値④にチャネルラインを引きます。
ダブルボトムの2Dラインは高値3点のうち、真ん中と右端の2点を起点とします。
ということで1Dと2Dそれぞれ4箇所から、水平ラインと斜めライン(チャネルライン)が引かれました。
1Dと2Dを組み合わせる
ラス押しを下抜けして戻り売りを狙う場合、1Dであればターゲットはネックラインまででしたが、2Dであればラス押しライン②(オレンジ)がターゲット(決済)となることになります。
さらに2Dラス押し②(オレンジ)を下抜けすると、次のターゲットは2Dネックライン③(オレンジ)までとなります。
波の性質としてネックラインまで行ったら大きく反発すると考えてください。なので2Dのネックライン③到達で、波がとりあえずの完成をみたのだな、という認識を持つことが必要となります」
2D③ネックラインへの到達点(赤◯で囲んだポイント)からの反発の動きとしては、次の2つが考えられます。
(1)切り替えしてのトレンド転換がある。
(2)上へ抜けずに抑えられる場合は、1Dの安値ライン④(緑)あるいは1Dのネックライン③(緑)まで戻って、新たな波を作って下降。そして波が完成したら切り替えしていく。
赤◯からの反発の動きは(2)となりました。下落からの切り返しでも2Dチャネルラインに強く支配されていることが判ります。
A⇒B⇒C⇒Dの波は、上の囲み解説にあった「新しい波」です。
Cは第3波の起点ですが、ここがラス戻りとなります。なおかつ、ネックラインも兼用しているので非常に重要なラインと解説されています。
前回と同様に上昇したら2DネックラインFへの到達で、一旦は大きく下げています。
どこまで下がるのかの目処は、1D高値ラインAもしくは1DネックラインCとしています。画像のGのゾーンです。
(2)下へ抜けずに抑えられる場合は、1Dの高値ラインAあるいは1DのネックラインCまで押して、新たな波を作って上昇。そして波が完成したら切り替えしていく。
2DネックラインFからの反発の動きは(1)となりました。
ちなみにBの下落は、チャート画像には引いていませんが日足の下降フラッグのラインへ到達しています。2Dの③ラインで止まり赤◯から反転上昇しての再度の下落は、より大きな時間足の日足のラインを目指したのだろうという考察も動画でされています。
学習動画 あきチャン先生「FX土曜勉強会《62》『チャートは1Dと2Dで読み解く』」
1Dと2Dのもう一つの事例
①ベースとなるトレンドライン ②ネックライン ③最終波高値 ④高値 ⑤高値
まずは最終の波(黃色の◯囲み)に従って上昇波は動いて行きます。ただし最終の波は節目なく一気に落ちた波。とは言えネックラインはあり、それが②です。
エントリーについて
エントリーは赤◯から。その根拠は移動平均線がようやくGC(ゴールデンクロス)しそうなところから上抜けしてきたということ、そして切り下げラインも上抜けしたということになります。
黃色の◯囲みでも、一度は切り下げラインを上抜けしているのですが、この時は移動平均線の状態が良くなく見送っています。
移動平均線の状態が良くないとは、120期間移動平均線(青緑の線)のEMAとSMAがDC(デッドクロス)であること、そして20期間移動平均線がまだ120期間移動平均線の下に位置している(DC)ことです。
黃色の◯囲みあたりでエントリーしても、移動平均線の関係が悪いので一度上昇しても押しが入るだろうという予測をしています。
としています。
1Dの平行線と2Dの斜め線を引いてエントリーをした後は、1Dと2Dのラインに従って行けば良いとしています。チャネルラインの角度で相場は動いていきます。
①のベースとなるトレンドラインを引いたら、各節値にコピペでチャネルラインを引きます。ちなみに、一番左の高値⑤の2Dラインはネガティブに低い位置を選択しています。
指値について
このケースでは②のネックライン抜けからエントリーをしていますが、②の水平線を抜けたということは②の2Dラインまで到達するということになるので、②2Dラインへ指値をします。
1Dと2Dの使い方は、まず1Dをブレイクしてきたら、水平線を左にたどって該当のポイントから斜め線をたどります。その斜線上のどこかに到達すると考えます。
エントリーはE。当初の決済指値位置はB。損切り位置はAですが、どうやらリスクリワードがそれほど良くないので次の指値を探すことになり、Cの位置へ変更しています。この理由ですが、
斜め線2Dラインの②まで指すのは、ほぼ到達すると予測出来ます。
そして②ラインへ到達するということは、1Dの③④⑤の高値をブレイクしなければ到達しないことになります。
ここで、③の斜め線まで価格が到達するのは当然ではないか?よってCの指値が出来るのではないか?との仮説を立てることになります。
そして、④は③よりも低いレートなので、③の水平ラインを抜けているということは④は抜くだろうという消去法、三段論法的な考えから、決済指値は④の2Dラインとしています。
では⑤の2Dはどうなのだろう?ということに対しては、一つの判断としてはエントリー時点ですでに高値Cを⑤は抜けている状態であるため、時間が進むに連れて⑤はどんどん右斜め上へと伸びることになり、デイトレードの期間ではちょっと現実的ではないだろうという判断になります。
ということでエントリー時点でC高値の中に収まっている2Dラインを対象にすると、④が決済指値の最大値となるという判断をしています。
学習動画 あきチャン先生「FXプチ勉強会 読者様からの質問に返答 1Dと2Dラインの使い方」
1Dと2Dの使い方は、基本的には1Dのラインを抜けたら、その2Dのラインまで到達すると想定します。
そして次の1Dを抜いたら、その2Dのラインへ到達する、として行きます。