第3波は、少なくとも第1波の値幅分は伸びるとされています。それをもって1トレンドの完成となります。
ところが下のチャート画像のように第3波が第1波よりも明らかに短くてトレンドが未完成の時があります。
あきチャン先生は、なぜ第3波が第1波のエネルギー分伸びなかったのかには原因があるとしています。
また、このような時には「仮想トレンド」を描いてみるとトレードに大いに役立つことがあるとしてその描き方を示しています。
第3波が短いということは動画のタイトル「未完成の第3波は反転のサイン」の通り、調整あるいは反転切り返しが起こっていることになります。
半値抜けについてはこちらの記事を参考にしてください。
第3波が短くなった原因
第3波が短くなるのは、何らかの重要線で止められるのが主な原因となります。
USDCHF4時間足チャートでは、チャネルラインと日足親波の戻り高値水平ラインで止められていると、あきチャン先生は解説しています。
現在見ている時間足チャートの格上時間足のラインがある場合にはほとんど止められるとしています。
赤囲みの波動が4時間足の波動ですが、日足の第3波中であることが分かります。
そしてこの日足の第3波は、第1波のエネルギー分を完全に満たしており、日足で1トレンドが完成していることが分かります。
同時に日足親波のラス戻り高値まで到達しているので、区切り良くトレンドが完成しているように見えます。
よって、その時点では4時間足の第3波を完成させるプライオリティは低くなったと考えても良いのかもしれません。
4時間足チャートをズームアウトしたのが以下のチャートですが、
4時間足第3波の不足分を埋めるかのようにひと伸びした、ようにも見えます。
USDJPY4時間足チャートでは、ウォルフ波動のラインで止まっているとしています。
日足親波の戻り高値水平ラインで止められているようにも見えます。
日足チャートの黄色矢印は4時間足の第1波と第3波、赤矢印が日足の第1波と第3波です。
日足の第1波は、ローソク足の下ヒゲを無視した値幅を採っていますが、その値幅で見ると日足第3波は、未完成をまるで気にしているかのようにウェッジ高値ラインに沿ってジワジワと上昇する努力を継続してきたようにも見えますね。
現状ではだいたい到達したのではないかと判断出来なくもない非常に微妙な到達具合となっています。
仮想トレンドの描き方
第3波が短くトレンドが未完成の時は、仮想トレンドを描くと良いとしています。
仮想トレンドの描き方は、短く終わった第3波の値幅をベースにして、その値幅のアキちゃんメーターを第1波・第2波の高値に合わせます。
USDCHF4時間足チャートでは、
①が未完成の第3波の値幅(アキちゃんメーター)、②が第1波・第2波の高値に合わせた仮想の第1波の値幅となります。
③黄色ラインは仮想第1波の起点(安値)、④黄色ラインは仮想第1波の半値、⑤黄色ラインは仮想第1波の終点(高値)です。
緑の稲妻Nが仮想トレンドとなります。
⑤の仮想第1波の終点(高値)のラインは、実際の第1波の終点(高値)とイコールなので、仮想トレンドを描かなくてもすでに存在していたラインですが、仮想トレンドによって新たに引かれた第1波起点③ライン、第1波半値④ラインは効いていることが確認出来ます。
USDJPY4時間足の仮想トレンドです。仮想第1波の半値ラインが効いていることが分かります。
EURGBP日足です。仮想トレンドによる2本のラインがかなり効いていることが分かります。
USDCHF4時間足のトレード解説
レンジやチャネルを攻める際のあきチャン先生のポリシーとして「なるべく根っこからエントリーする」ことを考えているとしています。
USDCHF4時間足のトレードのトレードでは、
Eのローソク足からエントリーしています。損切りはSです。
決済指値は当初はチャネルの上限のオレンジTとしていましたが「第5波は直近高値までということをころっと忘れていた」とのことで、週が締まる前に成り行きでピンクTの直近高値で成り行き決済をしています。
チャネル上限まで伸びそうと判断したのには理由があり、それが①のチャネル下限ラインへ届かなかった部分です。①の値幅分が②に付加されてチャネル上限ラインへ達するだろうという予測でした。
この予測は、週明けには達成されたことになります。
こちらの記事で詳しく書いていますのでご参照ください。
早めのエントリーはダブルボトム形成時のマイルールによる
あきチャン先生はマイルールとして「ダブルボトムが形成されたら、ダブルボトムの右側で陽線ローソク足が1本完成を確認して次の足から入る」ということを決めているとしています。
Eのエントリーした陽線ローソク足には長い下ヒゲが確認できますが、始値以降の陰線が陽線に変わる過程で作った長い下ヒゲの中でエントリーしているとしています。
20MAのゴールデンクロス・ダブルマウンテン
移動平均線の状態を確認することは必須です。20EMAと20SMAのゴールデンクロスを確認しています。
赤○囲みの中で20EMA(実線)と20SMA(破線)のGCを確認しています。
ダブルマウンテンの形状は、ふた山(あるいは2つの谷)の中心にMAのクロスがある状態だと認識していたのですが、今回のケースからはクロスする位置は問わないということのようです。
一番広いトレンドラインを抜ける時にトレンドをつけた
早めのエントリーをするということは、リスクリワードが良くなる反面、思った方向へ向かわないという、それなりのリスクを背負うことにもなります。
黄色の切り下げトレンドラインは第4波の最終トレンドライン(一番広いトレンドライン)ですが、これを赤矢印で示したようにトレンドをつけてブレイクしていったことによって、上昇することを確信しています。
本来のエントリーポイント
最終トレンドラインを抜けてから深く押しが入っていますので、本来のエントリーポイントは、
赤○のあたりとなります。
黄色切り下げラインが最終トレンドラインですが、リテストが深く入ったことによって乗りづらい場合には、最終トレンドラインの外にさらに赤の切り下げラインを引きます。
そして赤切り下げラインを抜けてからエントリーを仕掛けます。これは、あきチャン先生の「エントリーパターン2」として紹介されています。詳しくは以下の記事を御覧ください。
ただし、この本来のエントリーポイントですが「レンジの場合には中間地点より上でロングエントリーをするのは常識的には考えられない」として、今回に関しては遅すぎるとしています。
もう少し早いエントリーポイントとなるのは、黄色トレンドラインを上抜けした黄色○のあたりとなります。
学習動画 FX土曜勉強会《192》未完成の第3波は反転のサイン
チャネル、レンジ内のトレードでは、損切りが近い位置にあるところから乗れるのが大きなメリットとなります。それを活かすためには早めのエントリーが必要になります。
あきチャン先生のマイルールとして「ダブルボトムが出来たらその右側の陽線ローソク足1本確定の次の足からエントリー」が解説されていますので身につけたいものです。
また「仮想トレンド」という考え方も非常に参考になるものでした。トレードに活かせるように学習しましょう。